生命保険の税務

生命保険料控除について

 毎年9月〜10月頃になると、生命保険会社から、「生命保険料控除証明書」というものが送られてくると思います。 この証明書には、その年に既に払込んだ保険料と、それから年末までに払込む予定の保険料の金額が記載されているのですが、申告することにより、このうちの一定額(*)が所得から差引かれ、所得税および住民税が軽減されることになります。
  サラリーマンの方はこの証明書を「給与所得者の保険料控除等申告書」と一緒に勤務先に提出し、自営業者の方は確定申告の際に申告書に添付して、控除を受けます。

 生命保険料控除には「一般の生命保険料控除」と、「個人年金保険料にかかる控除」のふたつがあります。

控除の対象となる要件

一般の生命保険料控除

保険金受取人が、契約者かあるいは配偶者、その他の親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)である保険の保険料。

*財形保険、保険期間が5年未満の貯蓄保険、団体信用生命保険などは対象となりません。

個人年金保険料控除

次のすべての条件を満たし 、「個人年金保険料税制適格特約」を付けた契約の保険料。

(1) 年金受取人は、保険契約者またはその配偶者のいずれかであること。
(2) 年金受取人は、被保険者と同一人であること。
(3) 保険料払込期間は10年以上であること。
(3) 年金の種類が確定年金(有期年金)の場合、年金支払開始日における被保険者の年齢は60歳以上で、かつ、年金支払期間は10年以上であること。

こちらにお申込みいただいた場合、上記の条件を満たしていれば自動的に「個人年金保険料税制適格特約」が付加されますので、個人年金保険料控除の適用を受けることができます。


控除となる金額

所得税の生命保険料控除
(一般の生命保険料、個人年金保険料共通)     *それぞれ控除されます。
年間正味払込保険料
控除される金額
25,000円以下のとき 全額
25,000円を超え、50,000円以下のとき (正味払込保険料×1/2) + 12,500円
50,000円を超え、100,000円以下のとき (正味払込保険料×1/4) + 25,000円
100,000円を超えるとき 一律 50,000円
住民税の生命保険料控除
(一般の生命保険料、個人年金保険料共通)
年間正味払込保険料
控除される金額
15,000円以下のとき 全額
15,000円を超え、40,000円以下のとき (正味払込保険料×1/2) + 7,500円
40,000円を超え、70,000円以下のとき (正味払込保険料×1/4) + 17,500円
70,000円を超えるとき 一律 35,000円

 

保険金と課税関係

保険金を受取った場合は、所得税、相続税、贈与税のうちいずれかの税の課税対象となります。
(ただし、 病気やケガで入院した際に被保険者が受け取る入院給付金や、身体の傷害や病気を原因として受け取る高度障害保険金、3大疾病保障保険などの診断給付金は非課税です)

誰が保険料を負担し、誰が保険金を受取ったか。また、被保険者が誰であったかによって、所得税の種類は次のように変わります。

保険金 契約者
(保険料負担者)
被保険者 保険金受取人 対象となる税金の種類
死亡
保険金
相続人
相続税
(保険金非課税の特典あり
相続人以外の人
相続税
(保険金非課税の特典無し
所得税(一時所得)
贈与税
満期
保険金
所得税(一時所得)
贈与税

 

所得税の課税対象となる場合

契約者と保険金受取人が同一人の保険契約では、満期・死亡いずれの場合も、支払われた保険金は一時所得となり、所得税の課税対象となります。

一時所得の金額 = 保険金 - 正味払込保険料 −特別控除額(上限50万円)
*このうち1/2が、課税対象となります。

相続税の課税対象となる場合

契約者と被験者が同一人の保険契約で死亡保険金が支払われた場合、その保険金は相続税の課税対象となります。ただし、保険金受取人 が相続人の場合は、

500万×法定相続人の数

までの金額が非課税となります。(各相続人の実際の受取額は関係ありません)

贈与税の課税対象となる場合

生前に自分の財産を無償で他の人に与えることを贈与といいますが、契約者の生存中に契約者以外の人が保険金を受取った場合は、贈与税の課税対象となります。

贈与税は、保険金から基礎控除である110万円を差引いた金額を課税対象として、計算します。

高度障害保険金(給付金)、障害給付金、入院給付金などについては、受取人が被保険者、またはその配偶者、直系血族、あるいは生計を一にするその他の親族であるときは、非課税となります。

(CFP 中島牧子